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青色の空に神様がきた

Twitterの140字では書ききれないあれこれを。ブログに述べられている考察は、あくまで筆者のブログ執筆当時の考えであり、当然ながら日々勉強したり議論したりする中で考えが変わることもあります。また、このブログはいち大学院生の個人ブログであり、いかなる機関の公的見解を示すものでもありません。

昨今の政治的あれこれについての私の考えまとめ*ざっくり

 昨日、Twitterをながめていたら、高校生と思われる男の子(?)が、安倍政権が嫌いと思われる人(ネトウヨに、いわゆる"反日サヨク"と呼ばれている人)に延々と陰謀論を語られていた。口をはさもうと思ってやめた。私の経験上、ネトウヨも、反日サヨクも、延々とリプライを送り続けてくるからだ。

 でも、それはそれとして、その高校生の子のことは気がかりだった。だから、「もしも私が高校生に今の日本の政治について説明するなら」という前提で、記事を書いてみることにした。

 連日続くデモ、何を言っているかわからない大人たち、Twitterに沸くアイコンに日の丸を入れた人たち……。そういった物事を、自分なりに把握したいと思ったら、以下のいくつかの事実を自分なりに咀嚼して、自分なりに考えてみて欲しい。

 このブログに書かれた内容が、完全に中立だなんて、そんな大それたことを言うつもりはない。きっと私個人の考えが(どんなに気をつけていても)にじみ出てしまうだろう。それでも、最大限、中立に近づけるように努力して、書いてみたいと思う。

 

①日本という国の特殊性について理解する

 日本という国は、歴史的に見て、ちょっと特殊な国だ。それは、中学校くらいの社会科の知識でも、なんとなくわかることだと思う。色んな意味で、他のアジアの国とは違った道をたどっている。例えば、東南アジアの多くの国は、かつて植民地にされていて、第二次世界大戦後に独立している。けれど、日本は逆に台湾や韓国、満州(中国)を植民地として支配していた。近現代だけを見るなら、どちらかというと、欧米諸国がたどった道に似ている。

 日本という国が、特殊な点がもうひとつある。それは、「国家の軍隊」を持っていないことだ。国があって、その国の軍隊がある。国と国で外交をする。外交が、話し合いで決着しないと、戦争になる。戦争になると軍隊が出動する。「国家」というものが生まれてから、どこの国でも、それが"普通"だ。アメリカだって、イギリスだって、中国だってそうだ。

 けれど、日本は軍隊を持っていない。第二次世界大戦のあとの色々な取引の中で、「日米安保条約」というものが成立して、日本は軍隊を持たない代わりに、何かあったらアメリカが守ってくれる、という約束になった(いちおう)。それが、今の日本が置かれている状況だ。

 

集団的自衛権について

 国家というのは、まず、「個別的自衛権」を持っている。そして、「個別的」とは別に「集団的」な自衛権を持つ必要とは?

 すごくざっくり説明するなら、A国とB国が戦争をしたとする。その状態では、A国とB国がそれぞれ個別的自衛権を行使しているにすぎない。そこにC国、D国、E国が出てきて、「A国はいずれ俺たちのことも攻撃するかもしれないから」と言って、B国・C国・D国・E国で連合軍を作って一緒になってA国を攻撃する。それが「集団的自衛権」の行使だ。

「アメリカの言いなりになって自衛隊に海外で戦争をさせるの?」という指摘は、そこに由来する。

 

集団的自衛権の行使容認、安保法制の採択は憲法違反か?

 これについては、答えはないと思う。まず、はっきりさせないといけないことは、「憲法9条は魔法の呪文じゃない」ということだ。「この条文が憲法に書いてあるから、この国は戦争に巻き込まれない」そんな「魔法の条文」があったら、どこの国だって憲法にその条文を書くだろう。

 集団的自衛権、安保法制が憲法に違反していて、でもそれを行使したいなら、憲法を変えるべきだ。実際、「順序として、憲法を変える方が先だ」というのは、私も少し同意する。それぞれの憲法学者や政治家が、それぞれ見解を示している。答えはない。

 いちおう、憲法違反かどうかは、最高裁が決定することになっている。でも、その最高裁が下した判断が本当に"正しい"かどうか?を考えるとなると、それはもう、歴史が証明してくれるのを待つしかない。将来的に、「あのとき日本の最高裁憲法違反だと言ったから日本は戦争に巻き込まれなかった(巻き込まれた)」と言う日がくるかもしれないし、「あのとき日本の最高裁が合憲だという判断を出したから日本は戦争に巻き込まれなかった(巻き込まれた)」と言う日がくるかもしれない。答えは、あとになって歴史が出してくれるだけだ。

 

④「陰謀論」について理解する

陰謀論」とは、「あの人がこういう主張をする裏側には、こんなたくらみがあるに違いない」と、根拠のないことを勝手に想像することだ。実は、ネットに上がっている主張のほとんどは、この「陰謀論」だ。「戦争法案の裏にはこんなたくらみがあるに違いない」とか、「この政治家はこの団体からお金をもらっているに違いない」とかいう主張は、すべて陰謀論だ。

 陰謀論の中には、もちろん事実を言い当ててるものもあるだろう。事実無根のものもあるだろう。陰謀論と戦うために、個人個人ができることは、一方的な主張を聞かされたときに、「これはただの陰謀論じゃないだろうか?」と一歩下がって考えること。それだけで、ものごとが少し違って見えると思う。

 

⑤在日韓国・朝鮮人について

 日本には、朝鮮半島から渡ってきた人が住んでいる。色んな歴史的経緯があって、とにかく住んでいる。今現在の日本の政治状況を見ると、在日コリアンを嫌っている人(「在特会」とか)も、在日コリアンを擁護する人も、どっちも主張が過激だ。

 在特会は、過激だと思う。でも同時に、「火のないところに煙は立たない」のだから、在日コリアンの人たちも、そういう噂を立てられるようなことは、多少なりともしているのだと思う。

 これについては、解決策がひとつ。私は、「日本は、日本人や、朝鮮人や、アイヌ人など、様々な民族が暮らす多民族国家です」とした上で、日本人優遇を訴える政党も、少数民族優遇を訴える政党も、どっちもあっていいと思う。今みたいに、陰謀論だけでいがみあいをしているより、その方がずっと健全だと思う。

 

⑥マスメディアの腐敗について

 マスメディアの腐敗について、しばしば「中国や韓国によりそった偏向報道」ということが言われるけど、私は問題の根はもっと深いと思う。

 1970年代の歴史教科書というのは、ひどいものだった。「自虐史観」という言葉があるとおり、第二次世界大戦のときの日本について、「自虐」がすぎる歴史教科書だった思う。これは、その前の世代や、そのあとの世代の人が当時の歴史教科書を見ればわかることだ。

 その70年代に中学・高校時代をすごした人が、今マスメディアの中核にいる。だから、誰かが意図的に報道をねじ曲げているのではなくて、マスメディアは内側から報道をねじ曲げる力が働いているのだと思う。偏向報道は、誰かの「陰謀」なんかではない。マスメディアの内側からの問題だ。

 

徴兵制について

 実際に自衛隊が海外に行って自衛隊員が死んだら自衛隊の志願者が減り、いずれは徴兵制になる、という主張について、ネトウヨからはしばしば「自衛隊の志願倍率はこんなに高く~」という反論が出されるが、今後、自衛隊を取りまく状況が変われば、志願倍率が下がることは十分ありえる。実際、集団的自衛権が採択されたときに、自衛隊を辞めた人も数名いた。

 徴兵制になる、というのはやや論理が飛躍しているが、今現在の自衛隊の志願倍率が高いからといって、今後もこの水準が続く保障はない。

 

⑧民主主義(多数決)の前提は、少数意見の尊重である

 さっき書いたみたいに、「日本は、日本人や、朝鮮人や、アイヌ人が一緒に暮らす多民族国家です」という前提を立てたとする。そして、日本人優遇を訴える政党と、少数民族優遇を訴える政党が、選挙で戦ったとする。もちろん、数的には日本人の方が多いのだから、多数決なら日本人優遇を訴える政党が勝つ。少数の弱者は泣き寝入りするしかない。

 ……あれ、じゃあなんで、民主主義ってこんなに世界中で広まってるの?

 民主主義の前提は、少数意見の尊重だからだ。

 投票するときに、有権者が、自分の利益だけじゃなくて、国全体の利益を考えて投票すれば、みんなにとって一番良い結果になる。それが本来の民主主義のはずだ。

 今、若者が立場的に弱くなって、高齢者優遇を訴える意見が目立っているのも、「民主主義の前提は、少数意見の尊重である」ということを、みんな忘れているからだろう。

 

⑨「愛国心」について

 私は、「愛国心」というのは、とても大切なものだと思う。私は、インターナショナル・スクール(色々な国の人が一緒に勉強する学校)に、3年くらい通っていたけれど、日本人ほど愛国心のない民族はいない、ということを実体験として感じた。

 フランス人は「自由と民主主義の国、フランスすばらしい!」と胸を張っているし、韓国人はいつだって「LOOOOVE KOREEEEAAAAA」だし、イギリス人に至っては、イングランド出身の人をアイルランド出身と間違えると怒りだすくらいだ。

「グローバル人材」ということを、企業も、大学も、文科省も、盛んに言っている。この「グローバル人材」の定義を、しばしばみんな「英語(外国語)ができること」だと思っているけれど、私はそれは間違っていると思う。「グローバル人材」の定義は、「国際社会に出たときに恥ずかしくない人材」というのは、きちんと愛国心を持っている人物だ。それは、私が実際に国際社会で色んな人に会って実感したことだから、この主張だけは、私は誰に何と言われようと譲らない。