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青色の空に神様がきた

Twitterの140字では書ききれないあれこれを。ブログに述べられている考察は、あくまで筆者のブログ執筆当時の考えであり、当然ながら日々勉強したり議論したりする中で考えが変わることもあります。また、このブログはいち大学院生の個人ブログであり、いかなる機関の公的見解を示すものでもありません。

セカオワ新曲『SOS』に思うこと

 このタイミングでSEKAI NO OWARIが『SOS』というシングルをリリースすること自体、偶然とは思えなくて(本当はただの偶然なのだけれども)、これについては何か書かねばならない、というようなことをしばらく前からずっと思っていたので、雑ではあるけど感想をまとめておく。

 曲の趣旨は「SOSを発している人がいたら、それに気づいてあげることって難しいけど大事だよね」というもの。偶然にも、その2年位前に私も同じようなことを考えて、それをTwitterに書いていて、深瀬さんが、それを自分と同じ「SOS」という言葉で表現したことがまず感動的で、自分の考えていたことは間違っていなかったんだなぁ……と改めて(って書くと気持ち悪いファンの人みたいだけど)。

 

「SOS」とは何か。

 

 人間が心を病むときというのは、ある日気づいたらもう取り返しがつかないくらいに病んでいるわけではない。その前段階で、必ず「SOS」と取れる症状が出ているものだ。個人的な経験則からいくと、代表的なものだと、不眠を訴える、表情がかたくなる、もう少しわかりにくいものだと、口数が減る(これは人による。逆に無理してたくさん喋る場合もある)、ご飯を食べる量が減る、水を飲まなくなる、LINEなどのやり取りが支離滅裂になる、など。

 私は自分が心を病んだときに、周囲の人間になかなか気づいてもらえなかったからこそ、自分の大切な人がそういう状況になりそうなときは、いち早く気づける人間になりたいと思う。

 

 関連してもうひとつ。

 

 私が好きな漫画のひとつに『ハチミツとクローバー』という漫画があって、その中でも特に好きなセリフが、真山先輩という人が後輩の竹本くんに向かって語りかけるセリフだ。

 ざっくりとあらすじを紹介すると、真山先輩は、リカさんという人に片想いしている。リカさんは、建築事務所で仕事をしてはいるけれど、旦那を交通事故で無くして身体的にも精神的にも病んでいる。真山先輩は、美大を卒業してリカさんの事務所に就職する。真山先輩は就職して社会人になってお金があるはずなのに、なぜか学生時代から住んでいた四畳半の風呂なしアパートを出ていかない。そこで、後輩の竹本くんに「なんでアパート出ていかないんスか?」と聞かれて、真山先輩は「お金を貯めたいから」と答える。それに対して竹本くんが「なんか欲しいものがあるんスか?」というと、真山先輩はこう答える。

 

「自分の好きな人に何かあったときに、"今はとりあえず何も考えないで休め"って言えるくらいは持っていたいんだよね」

 

 もちろん、現実にそれができるかどうかというのは難しいことだけれども、私は、誰かを大切にするというのは、究極的には真山先輩のこの言葉に凝縮されていると思う。私が専業主婦になりたくない理由はたくさんあるけど、自分の配偶者や子どもが、心なり身体なりを病んだときに「私も仕事をしているし、贅沢しなければなんとかやっているから、そんなにつらいなら仕事(学校)辞めてもいいよ」と言える状態でいたい、というのも大きな理由のひとつだ。

「生まれてきた意味」とかを考えることは、割と無駄なことだと思うけど、もしも人間に"生まれてきた意味"があるとするならば、大切な人を守るために生まれてきた、というのが私はいちばんしっくりくる。

 

 過労死裁判、というものに私は常々疑問を感じている。過労死裁判をすることには、もちろん大きな社会的意義がある。企業の悪行を社会に晒す。企業に謝罪させる。そうやってひとつひとつ企業の不正をただしていくことにはもちろん意味がある。

 でも、それはそれとして、お前はお前の大切な人が過労死する前になんとか助けてやることはできなかったのか、と遺族に対して疑問がわく。何千万円の賠償金をもらっても、あなたの大切な人は生き返らない。過労死する前に、「そんなにつらいなら会社辞めてもいいよ」とどうして言えなかったのか。もちろん、本人はつらくても、それを隠して平気なフリをしていたかもしれない。でも、その"平気なフリ"を見抜くということまで含めて、「誰かを大切にする」ということではないか、と思うのだ。

 

 さて、セカオワのシングルに話を戻すと、歌詞と曲のコンセプトだけじゃなくて、メロディもENYAさんの曲みたい(って言っていいのかわからないけど)でとてもきれいで、歌詞付きでYouTubeに上がってるので、ぜひ聞いてみてください。